
職場で起きるハラスメントを題材に、組織のなかで働く人間の駆け引きや葛藤を描いた長編。スーツ姿の男女ふたりが街並みを背に立つイラストレーションが大きく配され、青を基調とした夜の都市の色面に黄色のラインが斜めに走ることで、平静な表情の奥に潜む緊張が画面の上に引き出されている。タイトル文字は白抜きで人物の上に重なり、英字「HARASSMENT GAME」が薄く影のように添えられ、見えにくい力学が職場という日常のなかに存在することを静かに示している。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論