
修学旅行で訪れたクレーター・レイクで、子どもたちが「眠ってはいけない」状況に巻き込まれていく英国発のジュブナイル・ホラー。背後の湖と森を、夕暮れの赤紫から深い藍へと沈ませた背景の上に、5人の少年少女がリュックを背負って振り返る瞬間が切り取られている。タイトルは筆で擦ったような白い手書き文字で湖面に重なり、不穏さと旅の高揚をひとつの画面に同居させる。光がまだ残るうちに迫る夜の気配を、構図と色面の対比でそのまま手渡してくる一冊。
著野中ともそ
装丁大岡喜直
装画シマ+シンヤ
光文社 / 2023年
文学・評論