一覧に戻る文学・評論一分ノ一(中)ターコイズブルーを地に、墨一色の線描で時代劇の乱闘場面が描かれる。刀を構える人々の激しい動きと、画面手前に背を向けて座る現代風の男──過去と現在らしき二つの時間が同じ平面に同居し、両者のあいだを視線が往き来する構図になっている。タイトルの白い太文字と右上に置かれた黒丸の「中」が画面を引き締め、寒色の冴えが静かな緊張をはらむ。中巻という位置取りも相まって、装丁全体が物語のただ中に立つ読者の姿をそっと映し出している。About出版社next door design出版年2014年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁大岡喜直(next door design)装画山下勇三