
キングキラー・クロニクル」第2部完結巻。語り部となった主人公の遍歴と、魔法・音楽・名づけをめぐる思索が交差する長大なファンタジー叙事詩のクライマックスにあたる。淡い青緑の背景に立つのは、赤毛の青年と連れの男のふたり。古びた建築と紅葉した庭を背に、宙には複数の指輪と羽根が浮かび、それぞれが物語の中で重みを持つ徴のように配置されている。和文タイトルは骨太の明朝で大きく置かれ、下部に英題と著者名が細く添えられる。やわらかな色面と細密な人物・小道具の対比が、口承される長い物語のたたずまいを静かに引き受けている。

著AlamRumaan、高山真由美
装丁早川書房デザイン室
装画太田侑子
早川書房 / 2022年
文学・評論