
猫専門のペットショップを舞台に、訪れる人と猫のあいだに起こる小さな奇跡を描く連作。「あの人にもう一度逢いたい」という帯のことばが示すように、別れや伝えそびれた思いをめぐる物語が静かに重ねられていく。表紙はやわらかな筆致のイラストで、エプロン姿の店員がキャットタワーの前で子猫を抱く一場面を切り取る。木目の店内に差し込むオレンジ色の光、宙に舞う白い粒、緑の発光する明朝体タイトルが、現実と非日常のあわいを灯すように響き合う。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論