
紀元前1770年のメソポタミア。ハンムラビ王から命じられた難業に挑む設計士たちの物語、その完結巻。中央には小さな塔の模型を手にした若き設計士が大きく描かれ、背後には螺旋状に天へと伸びるバベルの塔と、宇宙のように深い藍の夜空、舞い上がる炎と鳥影が立ち上がる。色鉛筆と細密ペン画を思わせる手描きの線が画面いっぱいに詰め込まれ、額装風の黒い枠と古文書めいたラテン文字の銘板で図譜的に仕立てられている。手書き風の太い筆文字タイトルと帯のコピーが、神話的世界の重みを地上へと引き寄せる。

著汐見夏衛
装丁西村弘美
装画ダイスケリチャード
実業之日本社 / 2021年
文学・評論