
西日本新聞の婦人投稿欄「紅皿」から、戦中戦後の昭和30年代までに寄せられた42編を収録した一冊。台所や買い物の合間に綴られた女性たちの言葉が、絶望に屈さない静かな覚悟として並ぶ。表紙は黒地に和服姿の二人の女性を素朴な筆致で描き、白の明朝で縦に組まれたタイトルが落ち着いて添う。下半分には淡いピンクの帯が大きく取られ、「どんなときも、絶望しない。」の一文が小さく置かれる。黒とピンクの面が静と動を分け、過去の声を今日の手元に渡す装いになっている。
著凪良ゆう
装丁鈴木久美
カバー写真Arx0nt+Getty Images
東京創元社 / 2019年
文学・評論