一覧に戻る文学・評論緑の花と赤い芝生伊藤朱里向かい合う二人の女性のあいだに流れる感情や関係の機微を掬い取る連作的な短編集。鮮烈な赤を地に、緑の髪と桃色の髪、桃色の襟と緑の襟と、ふたつの像は色を反転させながら鏡像のように対峙する。上下に走る花文様のボーダーは民族衣装の縁取りを思わせ、目鼻を最小限の線でとどめた図像はどこかタロットの寓意画のようでもある。補色が均衡したまま隣り合うこの画面は、似て非なる二人が互いを映し合う物語の構図を、そのまま装幀へ翻訳している。About出版社小学館出版年2023年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁アルビレオ装画杉山真依子Amazonで見る