
遺体修復師という稀有な職業を主軸に、死と弔いをめぐる夜の物語が描かれる連作。月の輝く青い夜の墓地に、白衣をまとった青年と一匹の白猫が静かに佇むイラストレーションが、画面の左半分を満たす。右側には金の唐草で縁取られた黒い扁額が配され、明朝体の題字とサブタイトル、欧文の小書きが整然と収まる。水彩のにじみで描かれた百合と枯木が画面奥へと溶け、装飾的な額装と物語的な絵を一枚に編み込むことで、葬送という主題に荘厳と寂寥の気配を与えている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論