一覧に戻る文学・評論君は素知らぬ顔で飛鳥井千砂何かを胸の奥にしまったまま日常を生きる人の機微を、静かに掬い取る短篇の連なり。淡いブルーの水玉模様を背景に、ポニーテールの女性が指先を口元に添え、視線をふと外す一瞬が、やわらかな線と水彩のにじみで描かれている。少し裾の乱れたジーンズや半ば開いた白シャツが、整いきらない心の輪郭を映し、縦組みの題字が余白のなかで静かに置かれる。表向きの平静と内側の揺れの距離を、装画と余白の呼吸がそっと指し示している。About出版社祥伝社出版年2013年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁高柳雅人(角川書店装丁室)装画谷川史子Amazonで見る