
T.S.エリオットが甥姪のために書いた猫たちの詩集、その邦訳版。後にミュージカル『キャッツ』の原作となった、気難しくも愛嬌ある猫たちの生態記である。鮮烈なオレンジを地に、細密なペン画の猫たちが石碑のような台座のまわりに集う構図。タイトルは古めかしい装飾書体で段状に積み上げられ、シルクハットや楽器を手にした猫たちが擬人化された所作で配される。線描の繊細さと色面の強さが対をなし、児童書めいた親しみと文学書としての品格を一枚に同居させている。
著辺見庸
装丁鈴木成一デザイン室
KADOKAWA / 2018年
文学・評論