
コナン・ドイル幻のデビュー作から最後の小説までを収めた、14篇の知られざる短篇集。シャーロック・ホームズの作家が描く怪奇と幻想の世界を、現代の読者に向けて編み直した一冊である。深い藍緑を地にしたカバーには、白い幽霊、額縁から覗く一つ目の鹿、城、帆船、飛行船、龍のような生き物が、平面的でユーモラスなイラストレーションで配される。タイトルは鮮やかなピンクで大きく抜かれ、帯の蛍光ピンクと響き合って、不気味さの中に軽やかな遊び心を漂わせる。怪奇譚をいまの感覚で開く、間口の広い装い。

著遠田潤子
装丁鈴木久美
装画牧野千穂
中央公論新社 / 2016年
文学・評論