
貨幣はいかに文明を動かしてきたのか。金融の起源から現代の危機までを射程に、お金の進化を通史として描く経済史。表紙は両替商が硬貨を秤にかける古典絵画を大きく据え、深い緑と臙脂の衣、白い頭巾、卓上に散る金貨の鈍い光が画面を満たす。和文縦組みのタイトルと英文タイポグラフィを対角に配し、下部の黒帯が全体を静かに引き締めた。数えるという行為が宗教画さながらの厳粛さで描かれた時代の眼差しが、貨幣の長い歴史そのものを物語っている。
著川端裕人
装丁bookwall
装画おとないちあき
早川書房 / 2019年
文学・評論