
英国コーンウォール、絶海の灯台から忽然と姿を消した三人の灯台守。残された妻や恋人たちの回想と、事件への距離を抱えた日常のディテールが交差していく長編小説。表紙には、荒れる海の只中に立つ白い灯台が水彩のような筆致で描かれ、灰青の雲と暗い波が画面の大半を占める。英題と作者名は灯台と空のあわいに、邦題はかすかに灯る黄の光で添えられている。閉ざされた海の景色と、ぽつりと点る色そのものが、不在と記憶を抱えた物語の輪郭を静かに浮かび上がらせる。
著中田永一、白河、三兎、岡崎、琢磨
装丁鈴木久美
新潮社 / 2016年
文学・評論