
ひとりで食べる」という日常の行為に宿る自由と小さな冒険を、食をめぐる視点で綴ったエッセイ集。表紙では、淡い藤色から薄紅へ移ろうグラデーションを背景に、丸い小テーブルでひとり食事に向き合う少女が水彩タッチで描かれている。手書きの趣を残した大ぶりのひらがなが画面を縦横に囲み、図像と文字が静かに響き合う。鮮やかな黄色の腰巻がそこへ差し色を添え、孤食の時間に潜む密やかな愉しみを、画面全体の温度として穏やかに伝えている。

著品田知美、水無田気流、野田潤、高橋幸
装丁三木俊一
装画森優
亜紀書房 / 2023年
人文・思想