
北アルプスの山小屋で10年働いた書き手によるエッセイ。仕事、暮らし、恋、人間関係、そして人生への向き合いかたを、山の上の「想定外の日常」として綴る。表紙には水色の空と雪を抱く山並みを背景に、黄色い帽子とエプロン、エプロン下の赤い結び目を効かせた線描きの女性が立つ。手書き感のある明朝で大きく組まれた縦書きのタイトルと、上部の薄いアーチ状の英字ロゴが、軽やかさと素朴さを両立させる。鮮やかな黄色は山の只中で働く日々の張りを、淡い空色は癒しきれない気疲れの余白を、それぞれ静かに引き受けている。
著木内昇
装丁帆足英里子
平凡社 / 2012年
文学・評論