文学・評論
明智小五郎事件簿 戦後編 I 「青銅の魔人」「虎の牙」「兇器」
江戸川乱歩
戦後に書かれた江戸川乱歩の明智小五郎ものを集めた一冊で、青銅の魔人・虎の牙・兇器の三作を収める。怪人と名探偵が都市を舞台に対峙する、戦後大衆小説としての乱歩を読み直す巻と言える。カバーは黒地に手描きタッチのイラストを配し、緑の歯車と機械仕掛けの仮面、ハートのクイーン、教会の尖塔、青い小鳥と花が枝に絡む装飾を組み合わせる。中央に縦長の白い短冊で書名と著者名を据え、下端には筆書き風の欧文ロゴが置かれて、童話的な明るさと猟奇譚の不穏さが同じ画面に同居する。