
実家からの「ありがた迷惑」な小包をめぐる六篇を収めた連作短編集。親と子、世代と距離、そして物に託される情の温度を、軽妙な筆致ですくい取る一冊。鮮やかな山吹色を背景に、白いタイルのテーブルへ突っ伏す女性、ひまわりの一輪挿し、皿に盛られたぶどう——日常の一場面を線画でやわらかく描く。帯には段ボール箱と「パパシャツ」「靴下」「お米」「地元の銘菓」の付箋風文字が躍り、本文の苦笑混じりのトーンを先取りする。明るい配色の奥にひそむ気だるさが、家族という近すぎる関係の手触りをそっと差し出す。

著ミラン・クンデラ、西永良成
装丁田中久子
装画横山雄
集英社 / 2024年
文学・評論