一覧に戻る文学・評論わたしたち、何者にもなれなかった瀬那和章なりたかった何かに届かないまま大人になった人々の輪郭を、静かにすくい取る長編。淡い桜色の地に、黒いピアノ、金縁の写真立てに収まったモノクロの女優、万年筆と筆記体で綴られた手紙、フィルムの帯が散らばり、タイトルは破られた紙片に黒い明朝で刷られる。音楽・銀幕・文学・映画——それぞれが「なれなかった何者か」を示す小道具のように並び、装丁全体が誰かの机に残された未完の夢の標本のように見える。About出版社KADOKAWA出版年2019年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁大原由衣カバー写真東宝映像美術Amazonで見る