
理系の学生たちが文芸サークルに集い、数式と物語のあいだを行き来する青春小説。表紙は薄いクリーム色のレポート用紙のような方眼を地に、上端に植物文様の罫線と万年筆、こぼれたインクの染みを配し、本を抱えて歩く男子学生、ノートを開く女子学生、ネクタイを締めた青年といった人物が淡い水彩で点在する。余白には統計や数式の手書きが散りばめられ、ノートPCやコーヒーカップが日常を補強する。タイトルは中央に明朝で控えめに置かれ、理屈っぽさと文学性が同じ机の上に並ぶ気配を、紙そのものの質感で伝えている。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論