
大河歴史小説「チンギス紀」全十七巻の十六巻にあたる一冊。モンゴル帝国の戦乱の終盤、武人として戦場に生きる男たちの姿を描き、最終局面へと向かう物語が進行する。表紙には青磁色の地に、緻密なペン画で描かれた獅子の顔が鎮座し、長い髭と渦巻く鬣の細密な線描が荒野の風を思わせる。書名「蒼氓」と「チンギス紀」のロゴは金色で押され、扁額のような巻数印が東洋的な威厳を添える。静かな青と金の対比が、戦に生きる者の孤独と気高さを静かに映し出している。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論