一覧に戻る文学・評論猿の見る夢桐野夏生成功の頂にいた者が、自らの欲望と虚栄に足をすくわれていく長編。「夢」と冠された標題には、現実と願望のあわいで揺らぐ視線が宿る。カバーには古典絵画と思しき群像が深い陰影とともに引かれ、オリーブの衣に紅い帯を締めた人物が、こちらを静かに見据えている。重い赤褐色と金の色調の上に、白い縦組みの明朝がひそやかに置かれ、絵中の眼差しと書名の問いがゆるやかに響き合う。About出版社講談社出版年2019年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁高柳雅人(角川書店装丁室)Amazonで見る