
ちょっとマシーン」と自称する少女の、揺らぐ心を綴った一冊。表紙では、花と葉と赤いハートを敷き詰めたドレスをまとう少女が、頭に小花を飾って立つ。口元はかすかに微笑むが、視線はどこか醒めている。繊細な線描と淡い水彩を思わせる彩色、宙に散る赤いハートと花弁が画面を彩り、背景は白く保たれて余白が深く呼吸する。タイトル文字は縦組みで右側に控えめに置かれ、装画の繊細な情感を邪魔しない。可憐さと無機質さが同居する一枚が、本書のタイトルを静かに支えている。

著渡辺淳子
装丁鈴木久美
装画マメイケダ
光文社 / 2020年
文学・評論