一覧に戻る文学・評論杏奈は春待岬に梶尾真治岬の名と少女の名を結んだ題から、誰かを待ち続ける時間や記憶をめぐる繊細な物語の気配が立ち上がる。表紙には水彩で描かれた大きな瞳の少女が大写しになり、頬や唇に差した淡いピンク、髪に挿された青い小花、舞い散る白い粒が春先の透明な空気を伝える。題字は黒い縦組みで、「春」の一字だけを薄紅に抜き、画面の静けさに小さな鼓動を灯す。あどけなさと寂しさが同居する眼差しが、まだ見ぬ岬の風景と、誰かを待つ時間の長さを静かに伝えてくる。About出版社新潮社出版年2018年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁新潮社装幀室装画たえAmazonで見る