
蒸気機関と生命の力が拮抗する、改変された第一次世界大戦下の冒険譚。額に押し上げたゴーグル、首元のストライプのスカーフ、握りしめた剣——少年の凛とした立ち姿の背後では、嵐の空に巨大な飛行体の影が浮かぶ。鈍い青灰の雲と上着の紅が引き合い、白で抜かれた書名を強く射抜く。題字の上にうっすらと添えられた赤い欧文と「SF」のレーベルマークが、絵画的な肖像をジャンル小説の表紙として静かに引き締めている。
装丁渡邊民人+TYPEFACE
装画Pablo Uchida
Pablo Uchida / 2012年
文学・評論