
定年間近の刑事と公安、ふたりの警官が、親友の息子の自殺の裏に隠された事件を追う長編。「この国は、守る価値があるのか」という問いを掲げ、富む日本と惑う警察を主題に据える。カバーには青を基調にしたイラストで二人の中年男性が並んで描かれ、片方はジャケット姿、片方は眼鏡をかけて疲れを滲ませる。タイトルは縦組みの明朝で人物像に重ね、白い帯の太いゴシックが鋭く問いを投げかける。静かな色面と肉筆の人物画が、組織と個人のあいだで揺れる二人の輪郭を浮かび上がらせている。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論