
落ちこぼれの新米刑事が世界の欺瞞を暴くミステリ。「お前が嵌められたのは偶然じゃない」という帯の一文が、物語の不穏さを端的に示している。表紙には黒髪ショートの少女が黒縁眼鏡に手をかける構図で大きく配され、背景には鮮烈なイエローと黒のジグザグ、そして「NEVERMORE」と読めるアルファベットが斜めに走る。タイトルは白抜きの明朝で中央に置かれ、人物の静けさと地のグラフィックの鋭さが拮抗する。眼鏡越しの視線と、亀裂のような黄色い閃光が、真実を見据えようとする主人公の緊張をそのまま装丁に翻訳している。
著焦田シューマイ
装丁川谷康久
新潮社 / 2025年
文学・評論