
雪解けの季節を待ちわびる兄妹のもとへ現れる、白いウサギたちをめぐる児童文学。やわらかな心の機微と春の訪れを、静かな筆致で描き出す。表紙は深い緑の地に、青みがかったかすれを重ねて雪解けの土と空気を思わせる質感をつくり、その上にやさしい白の濃淡で七匹のウサギを点在させる。タイトル文字は明るい黄色で縦に置かれ、緑の中に春の光をひと筋差し込むように響く。色と余白だけで、まだ寒さの残る季節にほのかに灯る希望を伝えている。

著大石直紀
装丁鈴木成一デザイン室
装画西山寛紀
小学館 / 2018年
文学・評論