一覧に戻る文学・評論猫町くんと猫と黒猫樒屋京介タイトルが告げるのは三つの存在 ――「猫町くん」と「猫」と「黒猫」。坂道の階段を見上げる三毛猫と、頂きにたたずむ制服姿の人影が、物語の入口を静かに示している。澄んだ青空に流れる雲、苔むした石畳、奥にちいさく覗く踏切の標識。淡い水彩のような色面が夏の光と影をやわらかく運ぶ。縦組みの明朝で力強く据えられた表題のうち、「黒猫」だけが別の枠に閉じ込められ、まだ姿を見せないもう一匹の輪郭をそっと先取りしている。About出版社小学館出版年2018年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁bookwall(五藤友紀、松昭教)装画宮崎ひかりAmazonで見る