
古書カフェ「すみれ屋」を舞台に、店主と常連客が一冊の本をめぐる謎を読み解く、五つの小さなミステリーを収めた連作短編集。カバーは深いマゼンタを基調に、本棚と瓶の並ぶ店内をイラストで描き、エプロン姿の女性と眼鏡の男性が静かに本を手にする情景を切り取る。タイトルは黄色の縦長プレートに毛筆風の太字で抜かれ、洋風の店内に和の手触りを差し込む。色面の強さと描線の柔らかさが、本を介した会話の温度をそのまま誌面に置いている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論