
清潔さや健康、道徳的秩序といった「まともさ」が現代人に課す不可視の圧をめぐる社会論。メンタルヘルスや都市設計、コミュニケーションを横断しながら、令和の生きづらさの輪郭を素描していく一冊。表紙はオリーブグリーンの粗い織布を地に、白の明朝でタイトルを縦に大きく組む。布目の質感が指先に触れるような手触りを伝え、装飾を排した文字だけが静かに立つ構成は、説教でも告発でもなく観察として書かれた本書の姿勢に重なる。下部に巻かれた生成りの帯が、息のつまる主題にひと呼吸の余白を差し込む。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論