一覧に戻る文学・評論二十年目の桜疎水大石直紀二十年という時間を背負ったタイトルが示すとおり、過ぎ去った歳月と春の景色を主題に置いた一篇。両岸から覆いかぶさる桜並木が水路を埋めつくし、中央の流れには散り敷いた花びらが薄紅の筋を引く。青空を映した水面、奥に小さく架かる橋——絵の具を重ねたような透明感のある筆致に、白く抜かれた題字が満開の光景へ静かに溶けこむ。長い時間と、毎春よみがえる花の重なりを、一枚のなかに閉じ込めた装い。About出版社光文社出版年2019年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁アルビレオ装画しまざきジョゼAmazonで見る