文学・評論
ゆきうさぎのお品書き 白雪姫の焼きりんご
小湊悠貴
函館の小料理屋「ゆきうさぎ」を舞台にした人気シリーズの一冊で、季節の料理と人々の機微を描く連作短編。表紙には、木目のテーブルに置かれた焼きりんごのデザートとガラスの紅茶、傍らの真っ赤な林檎、そしてフォークとナイフを持つ二人の手が俯瞰で描かれる。差し込む西日が床と卓上に橙色の光を落とし、青いタイル張りの床と暖色の食卓が対をなす。タイトルは縦書きの和紙風プレートに収められ、隅に小さなうさぎの影が添えられている。物語の温度を、湯気の立ちのぼる一皿の親密さとして手渡してくる装丁。