一覧に戻る文学・評論一の糸有吉佐和子三味線の世界に身を投じた女性の人生を、芸の業と情念ごと描き切った長編小説。山吹色の地に、髷を結い俯く女性が朱色の着物姿で楽器を構える一瞬が、平面的なタッチで切り取られる。青い帯が画面の中心で静かに灯り、横へ走る白い糸の束が、撥にかかる前の音の張りを可視化する。伏せた睫毛と指先の集中だけで、芸に呑まれた一生の重みまでが立ち上がってくる装い。About出版社河出書房新社出版年2022年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁大久保伸子装画柳智之Amazonで見る