
ダーウィン、アインシュタインら歴史を変えた科学者たちが犯した「偉大な失敗」を辿り、誤りこそが発見を駆動してきた知の運動を読み解く一冊。上半分にモノクロ写真、思索する老科学者が書物に囲まれた書斎で佇む情景を据え、その上に「偉大なる失敗」の四文字を大きな朱の明朝体で重ねる。下半分は余白を大胆にとった白で、写真と書名の張りつめた密度を解き放つ。沈黙する灰の写真と血の通った朱の文字、その対比そのものが、誤謬と発見が表裏で結ばれていることを静かに告げている。

著都筑道夫
装丁金井久幸
装画市村譲
筑摩書房 / 2019年
文学・評論