一覧に戻る文学・評論君の話三秋縋出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた——逆さまの時制をまとう、ひとつの恋の物語。淡い水色の空を背景に、桔梗を思わせる紫の花束を胸に抱く少女がまっすぐこちらを見つめ、透ける髪や頬に淡彩のにじみが残る。流れる紅いリボンが画面に一筋の時間を引き、下半分は白い余白へと静かに落ちて、繊細な縦組みの題字を支える。空の色をそのまま引き継ぐ水色の帯が、過ぎ去った気配をそっと留めているようだ。About出版社早川書房出版年2018年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁鈴木久美(角川書店装丁室)装画紺野真弓(coil)Amazonで見る