一覧に戻る文学・評論ひとつ火の粉の雪の中火と雪、相反するふたつを一語に閉じこめた表題のもとに、画面は赤の渦に覆われている。中央では紅い着物の少女がこちらを振り返り、朱を帯びた眼差しが静かに正面を射る。背景には火の粉とも糸ともつかぬ赤い線が乱舞し、暗色の枝葉が絡みつく。タイトルは白い和文字で縦に細く置かれ、激しい色面の上に澄んだ静けさを差し挟む。揺らぐ熱の只中に冷たさをひとつ残すような、緊張のある一冊だ。About出版社新潮社出版年2014年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁鈴木久美(角川書店装丁室)装画遠田志帆(JUN KIDOKORO DESIGN)