
夏休み、地上50mの鉄塔の上で少年たちが見つける小さな冒険を描く青春小説。カバーは見上げる視線で組まれ、画面右に黒い鉄骨を太く据え、左には入道雲と淡い空、奥には高架道路と並ぶ車。手前に立つ三人の後ろ姿が物語の起点を示す。タイトルは白抜きの手書き風文字で空に重ね、線画とフラットな彩色がアニメーションの一場面のような明るさを生む。垂直に伸びる鉄塔と水平の地平が、見上げる夏のスケールをそのまま表紙の構図に置き換えている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論