
映画監督、YouTuber、アスリート、芸能人、インフルエンサー——誰もが発信者となった時代に、二人の若い映像作家が「本物」とは何かを問い続ける物語。文庫カバーは、紙吹雪を浴びる人物の顔が色とりどりの粒子に覆い隠され、輪郭を失っていく瞬間を切り取る。祝福のようでもあり、無数の評価に呑まれて像を結べなくなる過剰さの寓意のようでもある。明朝のタイトルだけが余白に静かに据えられ、賞賛の粒に埋もれていく「スター」の姿を冷ややかに映し返す。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論