一覧に戻る文学・評論さすらいタイトルの「さすらい」が示すのは、行く先よりも、その途上にある時間そのものだろう。深い緑の丘に立つ男の後ろ姿、視線の先には赤い屋根と白い尖塔の街並みが小さく望まれる。柔らかな筆で書かれた白い表題が斜面に風のように置かれ、舞い落ちる葉が時の経過を示唆する。素朴な線と平面的な色面、押し付けがましさのない構図が、表題の二音にこもる漂泊の気配を静かに支えている。About出版社KADOKAWA出版年2014年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁鈴木久美(角川書店装丁室)装画龍神貴之