
現代ニューヨークを舞台に、魔法と陰謀に巻き込まれた女性が活躍するファンタジー・ミステリの一篇。「フェアリーテイル」の副題どおり、おとぎ話的な意匠が文庫サイズの画面いっぱいに展開する。黒地の上に、紫と桃色のローブを纏った二人の人物、淡緑の馬、草花や妖精たちを水彩でやわらかく描き込み、中央上部には王冠と唐草飾りで縁取った白い題字枠を配置。手描きの線と霞んだ発色が、洋古書の挿絵のような親密さを生んでいる。物語の幻想と謀略の気配を、装画の温度でそっと予感させる一冊。
著HjorthMichael、RosenfeldtHans、ほか
装丁鈴木久美
装画foopai
東京創元社 / 2017年
文学・評論