
どこか不可解で、それでいて妙に懐かしい夢の手触りを、短いコマと言葉でひろい上げた作品集。覚めぎわに残る滑稽さと不安が、淡々とした筆致で並べられている。表紙には、青と白の縞模様の三角頭巾をかぶった三体の人物が、装飾的な木製の法廷席のような場所に並んで座る情景。ドーム状の天井と整然と並ぶ小窓が背景を抑え、明朝体の白抜き文字が画面上部に静かに置かれる。判事めいた佇まいと、童話の小人めいた愛嬌が同居する不条理が、夢のなかで裁かれているような心地をそのまま装幀にうつしている。
著吉田篤弘
装丁クラフト+エヴィング商會[吉田浩美+吉田篤弘]
装画吉田篤弘
平凡社 / 2019年
文学・評論