
1976年、カリブ海の小島で釣り上げられた千年の呪いを抱える人魚をめぐる長編。マジックリアリズムの色濃い民話的な物語が展開する。表紙はオールドスクールのタトゥーフラッシュを思わせる図版構成で、中央に座す人魚像を海馬や髑髏、ギター、クラゲ、貝といった海と港のモチーフが取り囲む。クリーム地に黒と朱を効かせた版画的な配色がまとめあげ、大小不揃いに組まれた題字が素朴な力強さを宿す。肌に刻まれた符牒のように、物語の呪いと祝祭が紙面から立ち上がる。
著アーネスト・ヘミングウェイ
装丁川名潤
装画芳賀あきな
左右社 / 2022年
文学・評論