
古代ローマの貴族が遺した「奴隷の管理法」という体裁で、現代の研究者が解説を加えた一冊。労働や統治、人と人の支配関係をめぐる古代の論理を、皮肉と距離感を保ちながら読ませる。表紙は水色の矩形を背景に、トゥニカをまとい大きなアンフォラを抱える人物のペン画線描を配し、白地の余白と明朝の縦組みタイトルが落ち着いた均衡を作る。原題と著者名の欧文を控えめに添えた構成が、古代の文書を現代の書物として手渡す距離感を視覚化している。

著済東鉄腸
装丁木庭貴信+青木春香
装画横山裕一
左右社 / 2023年
ノンフィクション