
読者から募った短歌に歌人が選と評を寄せる人気シリーズの一冊。「明日でイエスは2010才」という副題が示す通り、聖性と日常がふいに重なる瞬間を掬い上げる選歌が並ぶ。表紙は虹色の光線が放射状に伸びる中、白い教会と山並みを背景に、横たわる人物や子ども、断片的なモチーフが油彩のタッチで描かれた絵画。タイトルは漢字と仮名の大きさを揺らした手書き風の黒文字で、絵の躍動を遮らずに上部から右辺へと流れる。聖と俗、夢と覚醒のあわいを行き来する短歌の手触りが、装画の祝祭的な色彩にそのまま重ねられている。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論