
グリム童話を下敷きに現代作家たちが紡いだ短篇集。深い森の小径を、赤い頭巾の少女がランタンを掲げて歩いていく――そんな絵画的な情景が表紙いっぱいに広がる。鬱蒼と茂る木々の緑と土の褐色、足元に落ちる柔らかな灯りの暖色が層をなし、右の太い幹には小鳥が一羽。上部に置かれた白いタイトル文字と、独語の小さな副題が、絵物語のような奥行きを静かに引き締める。森の入り口に立つ感覚そのものを、装画と書体の呼吸で誘い込む一冊。

著Stroud、Jonathan、金原、瑞人、松山美保
装丁城所潤+大谷浩介
装画影山徹
小学館 / 2015年
絵本・児童書