
小学校の教室を舞台に、少女たちの間で生まれる「女王」をめぐる序列と、その崩壊から立ち上がる事件を描いたミステリ。淡いピンクのフリルをまとう少女と、深い紫の服に黒髪を流す少女、ふたりが寄り添うように並ぶ油彩風のイラストが表紙を覆う。瞳の光は虚ろで、頬は青白く、無垢と陰の境目に立つ表情がそのまま物語の温度を示す。タイトルは縦組みの白い筆文字で大きく置かれ、絵の薄闇に切り込むように響く。少女期の親密さと支配のあわいを、装画と筆致がひとつの肖像として封じ込めた一冊。
著桂望実
装丁高柳雅人
装画Jiwoon Pak
光文社 / 2022年
文学・評論