
野鳥観察を入り口にした少年の探偵的日記。翼にまつわる謎を、フィールドノートの手触りで解き明かしていく一冊。手前に大きく配されたブッポウソウの濃藍と橙の嘴が画面の半分を占め、その奥に円窓のように切り取られた草原と、双眼鏡を構える少年の姿が浮かぶ。鳥の眼差しの先に少年を置く構図、暗い前景と明るい円景のコントラストが、観察する者と観察される者の視線を静かに入れ替える。タイトルの白い手書き風書体と帯の朱が、フィールドノートめいた親密さを添えている。

著望月麻衣
装丁bookwall
装画いとうあつき
ポプラ社 / 2023年
文学・評論