
デイヴィッド・ゴードンによる短篇集。犯罪小説の名手として知られる作家が、ユーモアと哀しみを織り交ぜながら現代の人間模様を切り取る一冊で、原題「White Tiger on Snow Mountain」がそのまま邦題となっている。表紙では、白と黒の縞をまとった虎たちの群れに、わずかな青と灰色の個体が紛れ込み、雪の斜面を一方向へ流れていく。手描きの線で輪郭を取った虎たちは少しずつ姿勢を変え、画面全体がゆるやかな運動として連なる。淡い空色の余白に黒の明朝でタイトルを置き、群れの中の一頭を際立たせる青が、書名の「白い虎」と静かに呼応している。

装丁泉沢光雄
装画丹地陽子
丹地陽子 / 2014年
文学・評論