
深夜のラジオ番組をきっかけに結ばれた高校生たちの青春を綴った連作短編集。淡いブルーグレーを背景に、制服姿の少女ふたりが背中合わせに描かれ、片方の手にはコードの絡まったヘッドフォンが握られている。線画は細く繊細で、髪の毛の流れや指先の動きまで丁寧に拾われ、平板な色面のなかに息づかいを残す。タイトルは黒の明朝で簡素に置かれ、余白が画面全体に深い静けさを与えている。同じ電波の向こうで、別々の夜を生きるふたりの距離感が、そのまま装画として立ち上がってくる。
著平沢逸
装丁川名潤
カバー写真竹之内祐幸
講談社 / 2024年
文学・評論